鈴木勉は、小学校5年生の頃、引っ込み思

案で気が弱い性格故、友達が誰もいなかっ

た。

クラスメイトと話すのは、席が隣になった

り、係の仕事だったり、必要最低限なレベ

ルだった。

声も一際小さかったので、冷たいと思われ

ていたのかもしれないと、今になって思

う。

勉は、1人の時間を、ほぼほぼ大好きな本

を読んで過ごした。

昼休みにグラウンドにみんながドッヂボー

ルしに行く中にも、勉は図書室に閉じ籠っ

て本にお世話になっていた。