あなたの願い、残酷に叶えます。

翌日の放課後、紗弓は進路について相談していた先生に呼び出された。


そして告げられた言葉は……。


「悪い。推薦枠、どうなるかわからない」


それを紗弓から聞いた時、あたしは愕然としてしまった。


どうしてそんなことを言われるのか、全然理解できない。


推薦枠はまだ残っているはずだ。


あたしたちは早く動いているはずなのに……。


放課後の教室で紗弓は悔しそうに下唇を噛みしめた。


「あたしと同じくらいのレベルの子で、もう1人推薦してほしいって言ってるんだって」


「そんな……」


成績や生活態度が同レベルなら、紗弓のチャンスだって残っているはずだ。


「里奈だよ」


紗弓が憎しみをこめた声で言った。


「え?」


「先生、里奈だって言った。鼻の下伸ばしてさ」


憎々しげにそう言い放つ紗弓。


「嘘でしょなんであの子が……」


あたしは上手く言葉がつなげられない。


里奈は1年生のころ、紗弓のから大智を奪った。


あの時、散々紗弓を泣かせたはずだ。


それなのに、まだ邪魔をするつもりなんだ。