あなたの願い、残酷に叶えます。

「○○大学の推薦枠に入れるか、先生に相談してるところなの」


その言葉にあたしは驚いて目を見開いた。


3年生に上がってすぐにそんなことを質問しているとは思ってもいなかった。


「まだわからないけれど、今の調子でいけば大丈夫だろうって言われた」


紗弓は嬉しそうに言う。


「そうなんだ。じゃああたしも頑張らないとなぁ」


勉強はそんなに好きじゃないけれど、紗弓と一緒にいるためなら頑張れる。


高校受験の時、紗弓が大智のために頑張ったように。


「景子も推薦枠について質問してみるといいよ。ちょっと気が早いかもしれないけれど、そういうのは先に相談しても問題ないんだから」


「うん、そうしてみようかな」


あたしは紗弓と2人で大学のキャンバスを歩く姿を想像する。


大学生になった紗弓はきっと今よりももっと綺麗になっているだろう。


2人で勉強をして、2人でサークルにも入ったりして、きっと楽しい未来が待っている……。


そう、思っていたのに。