あなたの願い、残酷に叶えます。

☆☆☆

そして、現在。


俺は苦い過去を思い出して画面を睨みつけていた。


そうだ。


俺も里奈に恨みのある1人だ。


あの後俺が里奈に告白したことはクラスメート全員に知れ渡った。


最低な告白の翌日、黒板にそれを書かれてしまったからだ。


その結果、俺は一ヶ月ほどみんなにイジられる対象にもなってしまった。


イジメに発展しなかったのは幸いだけれど、あの時から俺は里奈を恨んでいる。


「だいたいさぁ、翔が里奈と釣り合うわけないじゃん。どうして途中で気がつかなかったの?」


画面の向こうで景子が呆れた声で言う。


その言葉にカチンときた。


「うるせぇ! お前になにがわかるんだよ!」


「なによその言い方。あんたこそ自分の顔確認しなさいよ!」


こんなときに喧嘩をしている場合ではないとわかっている。


けれど、あの時のことを思い出し、更に非難されて頭に血が上らないわけがなかった。


「おい、2人ともやめろよ」


航大が顔をしかめて仲裁に入る。


「だってこいつが――」


俺が景子を指差した時だった。


3人の表情が一瞬にして凍りついたのを見た。


ジッと俺の方を見ている。