あなたの願い、残酷に叶えます。

不意に里奈が背伸びをして俺に顔を寄せてきたのだ。


「え?」


咄嗟に離れようとするが、里奈が近付いてきて離れることができない。


唇を突き出され、目が閉じられる。


長いまつげが小刻みに震えている。


えっと、えっと、えっと……。


これって、キ、キスってことか!?


告白後キスとか、ハグとかするのはドラマや漫画で見たことがある。


だからこれもきっと自然な流れなんだと思う。


だけど、その時がやってくるなんて思ってもいなかった。


しかも相手は里奈。


俺の心臓は今にも破裂してしまいそうなくらい、緊張していた。


でも、ここで一歩を踏み出さないと男じゃない。


里奈はすでに待っているのだ。


俺がキスをすれば……。


意を決して里奈の顔を見つめる。


整ったパーツに透通るような肌。


長いまつげにサラサラの髪。