あなたの願い、残酷に叶えます。

あの里奈が俺を呼び捨てにしている。


それだけで脳内は大混乱を起こしている。


「び、ビックリしちゃって」


言うと里奈は首をかしげて「どうして?」と、聞いてきた。


「だ、だって里奈はみんなのアイドルだし」


「なに言ってるの? 里奈は里奈だよ?」


かわいらしいセリフにまたクラリとくる。


世間ではこれをあざといと呼ぶのかもしれないけれど、俺は大好きだった。


「あ、じゃあ、これから彼氏と彼女ってことで……いいのかな?」


告白した後のグダグダ感は仕方ない。


だって、告白したこともされたことも今まで1度もないのだから。


「うん! よろしくね翔!」


「う、うん」


まだ心臓は早鐘を打っているし、現実に起こっている出来事だと理解することも難しい。


でも、里奈は俺の隣で嬉しそうに立っている。


まさしく今のこれが現実で……。


と、その時だった。