あたしの不安や不満は急速に膨れ上がって行った。


《紗弓:どうして?》


あたしは大智よりもそっけない返事をする。


対抗心のつもりだった。


少しでも大智が気にかければいいと思った。


《大智:家の用事》


大智はあたしのメッセージの冷たさを気にしている様子もない。


自然と奥歯を噛みしめていて、ギリッと音が鳴った。


《紗弓:家の用事ってなに?》


《大智:色々あるんだよ》


明らかに面倒がっているのがわかった。


あたしは大きく息を吐き出してスマホをベッドの上に投げ出した。


自分はそのまま床にゴロンッと横になる。


思い出すのは大智のスマホ画面。


里奈とのやりとり。


考えたくなかった現実がすぐ目の前に迫ってきているように感じられた。


見なければいい。


気がつかないフリをすればいい。


そして月曜日に学校で、いつも通り大智と会えばいい。