あたしは唇をかみしめた。


「こんなのフェイクニュースだよ!」


大きな声でそう言っていた。


そじゃなきゃおかしい。


だって、里奈が死んだなんて先生も言っていなかったじゃないか。


「そうだ。これはきっと里奈が仕組んだことなんだよ! あいつ、おとついのアレを見てたんだ! それであたしたちをビビらせてるんだ!」


バンバンと机を叩いて訴える。


でも、誰もなにも言わなかった。


「なによあんたたち、あたしの言うことが間違ってると思ってるの?」


「そうじゃないよ。でも、こんな状況を里奈が作れると思う?」


景子の言葉にあたしは返事に詰まった。


作れるわけない。


妨害電波を飛ばして通信の邪魔をするくらいならできるかもしれないが、窓もドアも開かないのはどう説明すればいいかわからない。


「紗弓、里奈は死んだんだよ。本当に、アレで死んだんだよ」


景子の言葉がグワングワンと頭の中を駆け巡って行った。