そうなってくると、もうこちらからも声はかけられなかった。


これ以上相手に迷惑をかけるわけにはいかない。


会話を遮るわけにもいかない。


クラスメートたちがあたしから離れていくことは必然的な出来事だった。


あたしは1人で教室にいる間、マンガや小説を読むようになった。


どれもスマホ一台で読むことができるから、とても手軽だった。


だけど、どれだけ集中して本を読んでいる気になっていても、クラスメートたちの笑い声や楽しそうな声は気になった。


たびたび集中力が途切れて、どこを読んでいたのかわからなくなる。


それでも、2年まではこうしてあたしもクラスの一員として過ごしていることができたのだ。


害のない暗いクラスメートとして。


でも、3年生になると状況が少し変わった。


今年に入って新しいウイルスが発見され、様々な行事が取りやめになったのだ。


それは学校行事だけではない。


街での恒例の行事もなくなってしまった。