あなたの願い、残酷に叶えます。

「充男、その部屋他に誰かいるの?」


あたしが質問したとき、充男の画面は完全にフリーズしてしまっていた。


止まった画面は時々上下に乱れて、充男の顔を奇妙に歪める。


「充男、返事しろ!」


翔が叫ぶ。


「ダメだよ、完全に止まっちゃってる」


景子がうんざりした声を上げる。


次から次へとなんなのだと、疲れた表情になっていた。


あたしは充男の画面をジッと見つめる。


さっきから女の人の声が聞こえてきているけれど、それはノイズ交じりでハッキリと聞きとることはできない。


断片的に「ね」「を」「やって」と聞こえてくるばかりだ。


それだけなのに、しっかり耳を傾けているとだんだん気分が悪くなってくる声だ。


あたしは声に集中するのをやめてタブレットから少し身を離した。


その時だった。


あり得ない光景が目に飛び込んできて、「あっ!!」と、声をあげた。


「どうしたの紗弓?」


景子たちは気がついていないようだ。


「ねぇ、あれ……」


そこまで言って言葉を切り、充男の画面を指差した。


なんと言えばいいのかわからなかった。