あなたの願い、残酷に叶えます。

しかし、誰もが左右に首をふる。


スマホがある今、部屋に固定電話を置いておく必要なんてないのだ。


希望がどんどん閉ざされて行く。


それは暗い穴の中に落下してくような感覚だった。


「おい、充男?」


航大の声が聞こえてきて画面に視線を戻す。


すると充男の画面だけ少し乱れているのがわかった。


「ど……した?」


充男はキョトンとした表情を浮かべている。


「充男、画面がおかしいよ!?」


切羽詰った声で言ったのは真美だった。


「真……? よく……なに……ど……」


ザーザーと、昔のテレビの砂嵐のような音が混ざり始めてあたしは顔をしかめた。


充男の画面は動いたり止まったりと繰り返している。


その間になにか別の声が聞こえてきた気がした。


ね……を……やって……。


それは女の人の声で、充男のものではないとすぐにわかった。