あなたの願い、残酷に叶えます。

見えている景色はいつまでたっても変わらない。


「なんだよ、もう……」


ついに疲れ果てて木の幹に腰をおろした。


額に滲む汗を手の甲で拭うと、なんとなく懐かしい香りがして周囲を見回した。


回りはさっきまでと同じ山が続いているばかりだ。


でも確かに香りはしている。


ふと足元を見ると、枯れ葉が焦げているのがわかった。


誰かがここで焚き火でもしたのだろうか、その周辺だけ円形に黒くなっている。


懐かしい香りの原因はこれだったみたいだ。


でも……と、首をかしげる。


どうして焚火の匂いを懐かしいと感じたのはわからなかった。


俺は昔から焚き火なんてしたことがない。


正月のイベントで神社で炎が上がっているのは見たことがあるけれど、それくらいだった。


おかしいな。


と感じた時、不意に肌寒さを感じて身震いをした。


自分の姿を確認してみると見知らぬ、薄汚れたTシャツと着ていることに気がついた。


咄嗟に立ちあがる。


カーキ色の半ズボンは膝のあたりで引きちぎったようにボロボロだ。