あなたの願い、残酷に叶えます。

画面上で景子はまだ必死にドアと格闘している。


あたしは自分の部屋のドアに手をかけて……「え」と、小さく呟いていた。


あたしの部屋も景子の部屋と同じで、鍵がない。


けれどドアはガッチリと固められているように、ビクともしないのだ。


あたしは横の棚にタブレット置いて両手でノブを掴む。


しかし、やはりドアはビクとも動かない。


「紗弓、どうした?」


あたしの異変に気がついた航大が声をかけてくる。


「ドアが開かないの!」


「嘘だろ?」


「本当だって!」


押しても引いてもドアは微動だにしないのだ。


まさか、お母さんがドアの前に何か置いてしまったんだろうか?


「お母さん、いるんでしょ!? ドアを開けて!」


外へ向けて懸命に叫ぶ。


しかし、耳を澄ませてみても家の中の物音は少しも聞こえてこなかった。


まさかお母さん、勝手に外に出ちゃったのかな?


そう考えてから左右に首をふる。


ううん、あたしはずっと家にいたんだもん。


玄関が開いたり、車のエンジン音がすれば気がつくはずだ。


でも、そのどれもを聞いていない。