それから更に5分ほど経過したとき、不意に部屋の中に泣き声が聞こえてきた。


それは6人の内の1人の泣き声のようで、女子のものだとすぐにわかった。


照らされている足のひとりのものが、小刻みに震えている。


どうやらこの子が泣いているみたいだ。


それでも、この子に声をかける者はいない。


呼吸音と泣き声だけが聞こえてくる部屋の中。


それはどう考えても異質な空間だった。


この6人は一体どんな関係なのか?


なぜ暗い部屋に輪を描くようにして立っているのか?


なぜ無言のままなのか。


なぜひとりだけ泣きだしたのか?


謎が加速していく中、不意に声が聞こえてきた。


「今日……」


その声は女のものだった。


これも6人の内のひとりの声のようだ。


若く、張りのある、そして芯の強そうな声。


「……あたしたちがやったことは、誰にも話さないって約束して」


声が緊張に包まれていた。


しかし、部屋の空気は少女が話をすることで少しだけ和らいだ。


相変わらず、返事はない。


でも、部屋の中の空気が少女の言葉を肯定しているように感じられた。