あなたの願い、残酷に叶えます。

☆☆☆

「アザミ、今日はここに泊まりなさい」


そう言って用意されたのは小さな小屋だった。


「ここに1人で?」


あたしは心細さから質問する。


大人の女は頷いた。


いつもあたしと一緒に寝起きしてくれる家族だ。


「そうよ。家にいると山賊に押し入られるかもしれないからね」


「じゃあ、みんなも一緒にいようよ」


あたしの提案に女は左右に首を振った。


「ここはみんなで寝るには少し狭いわ。それに、山賊の狙いはアザミなのよ」


小屋が狭いことも、山賊の狙いが自分であることも理解していた。


でも、一緒にいられないことで不安で押しつぶされてしまいそうになる。


そんなあたしを見て、女はあたしの体をキツク抱きしめてくれた。


幼いころから、女はこうしてあたしを一杯愛してくれた。


他の、自分の家族と変わらぬように。


その温もりと、女の香りの中にいると自然と安心できていた。


緊張がほぐれて、力が抜けていく。