咄嗟に右側へ視線を向ける。


いつ、どこから入ってきたのか。


布の袋を頭からかぶった女がそこに立っていた。


体をこちらへ向けてジッと俺を見つめるように。


「うわぁ!」


突然のことで驚き、悲鳴を上げて立ち上がる。


そのままドアまで走ろうとするが、女の手が俺の首を掴んで引きとめた。


充男の首を引きちぎるほどの強い力。


俺はその場から一歩も動けなくなってしまった。


両手で女の手を解こうともがくが、ビクともしない。


掴まれることで首の皮が後ろへ引っ張られ、呼吸が乱れる。


画面上で紗弓が悲鳴を上げているのが見えた。


その顔は恐怖で歪んでいる。


大丈夫だよ紗弓。


怖ければ見なければいい。


俺のことは気にしないで。


そう言いたいが、声が出ない。