「この事件の真相はわかってないみたいだ。なにせ、犯人も含めて全員が死んでるんだもんな。どうして事件が起こったのか解明されていない。もし、事件の真相を探りだすことができれば、残酷様を帰すことができるかもしれないぞ!」


航大が希望に満ちた目で顔を上げる。


でもあたしは笑わなかった。


だってそんなの意味がないから。


未だ開かされていない事件の真相なんて、どう頑張っても調べることができないから。


それに……航大の画面が乱れ始めていたからだ。


「なんだ? 急に寒くなった」


乱れる画面の中で、航大の息が白くなるのを見た。


自分の体を抱きしめている。


「航大……」


あたしは名前を呟くことしかできなかった。


画面上から、また変な声が聞こえてくる。


ね……を……やって……。


ね……を……やって……。


次の瞬間、航大の画面の中に布をかぶった女が出現していた。


あたしは思わず悲鳴を上げる。


画面を指差し、大声で叫ぶ。


航大が驚いた表情で振り向いた……。