あなたの願い、残酷に叶えます。

「女子の時間なら真美だっているだろ」


充男の言葉に一瞬あたしと景子は黙り込んだ。


そしてほぼ同時に噴き出し、笑い始めていた。


「そういや、いたっけ?」


景子が笑いながら言う。


「本当だね。ねぇ真美、どうしてなにもしゃべらないの?」


「え、えっと……」


真美はしどろもどろになってうつむいてしまう。


その頭頂部にフケが浮いているのが見えた。


思わず顔をしかめる。


「やめてよ真美。その頭見せないで」


景子から容赦ない言葉が飛び、真美は慌てた様子で少し椅子を後方へと移動させた。


「男子たちは早く退出してくれる?」


あたしが言うと、航大が肩をすくめている。


「わかったよ。紗弓たちがどんな会話をするのか気になるけど……」


ぶつぶつと文句を言いながらタブレットを操作している。


「あ、真美も退室していいからね?」


ついでに言うと景子が笑い声を上げ、真美はタブレットを操作しはじめる。