担任の先生だって、結局はあたしの魅力に負けて成績を操作した。


お陰であたしは赤点を逃れて補修だってしなくて良くなった。


貴重な休み期間を勉強に裂くなんてくだらない。


同じように、貴重な若い時間を就職活動や受験勉強のために使うなんてくだらない。


あたしはもっと自分のために時間を使いたい。


もっともっと綺麗になれば、お金持ちの男なんて簡単に近寄ってくる。


美しくあることは人生を豊かにすることだ。


美しくあることで、人生は成功する。


本気でそう考えている。


「ねぇ、お願い」


先生に顔を近づけて、その頬にキスを落とす。


視線を落とすと先生が男として反応しているのがわかった。


顔は硬直しているけれど、嬉しがっているのだ。


「あたしのために頑張ってくれたら、特別なことしてあげる」


耳元で囁くと、先生の頬が緩んだ。


さっきまで緊張していたものがほぐれて、同時にプチンッと理性が千切れる音が聞こえるようだった。


その瞬間、勝ったと思った。


あたしは先生の首に両手を絡ませる。


先生はあたしの腰に手を回す。


これでいい。


これがあたしの、戦い方だから。