「浦和兄さん誰か倒れてる。」

裾を引っ張りまなが指を差す先には人。

「美国様!誰か倒れています。」

美国には慌てた様子で抱き抱えた。

「もし?大丈夫?」

少年は目を開けた。綺麗な青々とした緑色。異国の色。

「浦和運びますよ。」

そう言うと小屋に連れて行った。

きっとひどい目にあったに違いない。異国の色は鬼と呼ばれ蔑まされ、殺される。

寝かされた側には囲炉裏の炎が仄かに揺れていた。

「もし?気がついた?私は美国。ここは村から離れているからしばらくは見つからない。安心して休んでおいで。」

「ビクニ?」

こっそり覗いた子どもが四人。

「ゆっくりお休み。」

額にひんやりと手を乗せた。そのまま眠ってしまう。