ギリギリの時間に来た私たちが教室に入ると、すでに智が教室にいた。
「おお!遅かったな!」
そうこっちを見て片手を上げる男。
言動から溢れ出す、、バカ。
そう、智は言うまでもなくバカだ。
「智ひとり?他のみんなは?」
真帆は空席を見てそう言う。
私たちのクラスは1-Sクラスという、言わば暴走族の幹部以上の人や美形の人、成績優秀な人が集まるクラス。
だからもちろん、智のとこの人達で同じ学年の幹部の人は私たちのクラスだ。
私が何故このクラスなのかはいまだに謎。
「蓮也(レンヤ)は屋上でさぼり。ほかもみんなそうだな」
おい、何しに来たんだよ。
「ん?でも智はこっち来たんだ?なんで?」
「おいおい、雪乃。俺要らない、みたいな言い方するのやめろよ!」
いや、そんなこと言ってませんけど。
思ったけど言ってはないけど。
「雪乃はそんなこと思わないって!」
真帆、ごめん。思ってた。
「あーそう?ならいいけどさ」
え、いいんだ、?
「まあ俺が来たのは真帆に会うためよ」
そのストレートな言葉に隣りにいる真帆が照れた。
このバカップルめ。
「で、それと。真帆連れて来いって言われたんだよな」
「「は?」」
私たちは2人してその言葉に間抜けな声が出た。
「いやいや、なんで真帆が?あんな男共の巣窟に連れてくなんて無理だから」
「いや、お前に言ってねぇから」
はぁ?こいつなんなの。
「うざ。」
「まあまあ、2人とも。でもなんでなの?」