車が目的地に着いた。
ガチャ、と扉が運転手によって開かれ、雪良が降りる。
そして手を広げ、おいで、と言う。
私は自らその手の中に収まった。
「雪乃、今日は甘えん坊だね」
フワッと笑って近くの建物を目指す。
私は雪良の肩に頭を埋めていた。
建物の扉が雪良の手によって開かれる。
それによってこちらを見る大勢の男達。
ここは、暴走族の倉庫だ。
「総長、こんにちは!」
「こんちわ!」
何人もの挨拶と視線がこちらに向けられる。
雪良はそれをガン無視。
それがここでは普通らしいけど。
しばらくしたとこにある階段を登り、着いた部屋に入っていく。
「おう、雪良。...雪乃ちゃん、かな?」
部屋には男ひとりがいて、他には誰もいなかった。
「ああ。悠真(ユウマ)、他のやつが来たら、俺と雪乃が奥に居るって言っといて」
「了解ー」
軽くそう言った雪良は私と総長部屋へ向かった。