繁華街に行ったのがバレたから。
私は家に帰っていた。
この息苦しい家が嫌いだから繁華街に行くのに。
私は部屋で制服のまま、ボーッとしていた。
真帆と智を泣かせ、怒らせた。
その情景が頭をよぎる。
泣きたくなくても涙が零れ続ける。
ガチャ___
そんな私の元に"恐れ"が来た。
「...雪乃、なんで泣いてんの」
抑揚のない声で言いながら私の目の前に来る。
そして私の頬を触りそのまま頬にキスをした。
「ねぇ、雪乃、おいで?」
もう何も考えれない私は、差し出された手を握る。
雪良は素直な私にニッコリと笑った。
家を出て黒の車に乗せられいつもの場所に連れてかれる。
「...ねぇ、雪良」
私の小さく弱々しい声に気づき、顔をこちらに向ける。
「車降りたら、ずっと抱っこしてて、欲しい...」
「...ダメ?」
そうお願いした。
優しい雪良だったから。
それに、自分が押し潰されそうだったから。
「いいよ?雪乃のお願いだからね」