泣き、怒り、の後で静まり返った場。
「雪乃、俺と真帆ちょっと頭冷やしてくるわ」
そう言い真帆を連れて出ていってしまった。
再び静まり返った場。
そこに響いた言葉が再び私の心を揺さぶった。
「お前さ、何に恐れてんの?」
そう総長である愛翔が言う。
頭の中でリピートされる。
なんでそんなこと言うの?
私が何を恐れてるかって、、?
「たまに見せるよなその表情」
ねぇ、今私どんな顔してるの。
詩音(シオン)。
「おい、聞いてんの?」
なんで私こんなに苦しいんだろ。
なんでこんなに泣けるんだろ。
「ッ、おい、何泣いてんだよ」
私の頬を伝う涙を見て少し慌てている愛翔。
「私が何を恐れてるか、だって?...言うわけないでしょ。昨日初めて会った男に言うことなんてないから」
涙を流しながらもそう言ってのける。
私はそのまま屋上を後にした。