「じゃあ、1時間だけね。次の授業からは出れそうかしら?もし悪化したら早退も考えてちょうだいね?」


間一髪。

ベッドがあるほうまで先生は来なくて、そこで会話終了。


これであとは、わたしが保健室から出て行っちゃえば……って、しまったぁ……!


今ここには瑞月くんしかいないってことになってるわけで。


まさか、付き添いがベッドの上にいるなんて、先生は知らないわけで。


出ていくタイミングを完全に見失ったよ……!


えっ、逆に今ものすごく窮地に立たされてる状況な気がする……!


わたしがひとことでも発したらまずい!


ただでさえ、薄いカーテン1枚を開けられたらアウトなのに、声まで出せないなんて。


どうしようどうしようって、慌てて瑞月くんに助けを求めようとしたのがいけなかった。



「……センセーいるから、声出せないね」

「へっ……」


クスッと笑って、まるでこのスリルを愉しもうとしてるように見えるのは気のせい……!?