「なんかもう、ドキドキするー……! 今日一緒にお弁当食べるんだよ!」


「そっか、どこで食べるの?」


「んー、考えてないけど」


「もう、わかなはのんきなんだから! 理太みたいな目立つのと一緒に食べたら危ないんじゃないの?」


本気で心配してるのに、わかなはのんびりと首をかしげた。


「なんで?」


「……だって、ひがまれたり……」


と言いかけて思い直す。


……わかなは、あたしとは違うか。


人望があって、部活の友達とはとくに強い絆があるみたいだし……。



「ううん、なんでもない。楽しみだね」


「うん!」


「……ね、わかなって理太のこと好きなの?」


「好きなのかなぁー? でも超かっこいいじゃーん」


笑顔眩し……っ。


そっか、わかなが理太を好き……。


ちく、と胸に違和感が……なにこれ。



「でも、理太って」勘違いさせるのうまいけど、大丈夫……?


って、こんなに目をキラキラさせているわかなの気持ちに水を差しちゃいけないよね。



「理太って?」


「んーん。なんでもない」



話題を変えて、わかなと学校へ入った。