そういうわけで、理太の背中に張り付きながら見てしまった映画。


物語の最後にあかされた幽霊の正体は、一人の少女が背負った悲しい運命によるもので……。


ホラーでありながら感動ものだなんてずるい。



「……ううっ」


「俺の背中で涙拭くのやめない?」


「……っぐ、グズ、」


おいおい泣いて声にならないあたしを、少し振り返った理太は、眉根を寄せた。


「そんな感動しちゃってさぁ……夜にちゃんと怖がれんの? 俺の布団に来れる?」



心配そうな顔して、一体この人は何をいっているんだろう。



だけど、とりあえず理太の部屋には行かなくても済みそう……。


だって最終的にもう怖くない。


ホラー要素を美しく覆す、ただの感動ストーリーだ……。