普通なら、そうなる前に拒むでしょ!?
何、されるがままになってるのよ……自分。
 それに課長が私にキスをするとか有りえないからね?
しっかりするのよ私。

 2人に流されていたらダメ。
変な事を言うからまた、変に意識をしてしまったじゃない。気をつけなくちゃあ……。
 そう自分に言い聞かしていたはずなのに……。

 それから何日が過ぎてマッサージ体験コースの日を迎えた。
課長がそばに居ると何だか変に意識をしてしまい落ち着かなかった。
 おかしい……課長に対してこんなに意識をするなんて…。

 あぁ、もう真美子と美希のせいでずっと課長の事が頭から離れられないじゃない!!
 何で私が課長の事ばかり考えないといけないのよ!?

「あ~有りえない!!」

「宮下、うるさい。講習中だぞ!?」

 課長の言葉にハッとする。
周りを見ると注目を浴びていた。
 どうやら考えたことが思わず口に出てしまったらしい。

「す、すみません」

 慌てて頭を下げて謝った。あー恥ずかしい。
人前で言うなんて……。
 あまりの恥ずかしさで穴があったら入りたい気分だった。

「まったく。またボーとしていたんだろ?
相変わらず集中力が足りないぞ」

「それは……すみません」

 確かにボーとしていたので言い返せなかったが、課長のせいなんですからね?
 だからと言って課長の事を考えていましたなんて言える訳がないし。

 チラッと課長を見ると真剣に講習を見ていた。
真面目だなぁ~本当に。
 心臓がドキドキ高鳴ってうるさかった。

 そして講習が終わると実践することに。
習ったマッサージを男女1組となってやってみる。
 私は、やっぱり課長と組むことになった。

 いつも思うけど……課長とペアばかり組んでいたら婚活の意味がない気がするけど。
 しかも一度もペアを交換したがらないし。