あぁ、やっぱりいいわ~イケメン。
うっとりとそのイケメン店員さんに見惚れてしまう。
私もあのお皿のように一緒に下げられたい。
そう思いながらも言おうとしたら課長が凄い剣幕でテーブルを叩かれた。
ビクッと驚いて肩が震えた。
「宮下……お前は、食ったらさっさと帰れ!
タクシーでも何でも呼んでやるから」
……何故だか怒られてしまった。
えぇっ~そんな……!?
どうして、そんなに怒ったか分からない。だがキレていた。
結局、お洒落して高級なレストランで食事までしておきながら、終わるとさっさと追い出されてしまった。
何よ……これ?いくら怒ったとしても女性に対して扱いが酷くない!?
タクシーに乗り帰った。
あまりにも腹が立ったため次の日の夜に真美子と美希を食事に誘い愚痴を聞いてもらった。
「と……いう訳なのよ。酷くない?
課長ったら女性を何だと思っているのかしら」
ビールを飲み干すと愚痴愚痴と文句を言った。
思い出しただけでも……腹が立つ。
しかし真美子と美希は、黙って聞いていた。
「これって……アレよね?」
「ほら、やっぱり私の言った通りじゃない。
でも、さすがにそれは、課長が不憫よねぇ~」
えっ?美希なんで課長が不憫なのよ!?
不憫なのは、振り回されている私でしょ?
「でもさ~さすが菜々子というか、そこでイケメンばかりに目が行くあんたが、ある意味凄いわね。
痛いというか……むしろここまでやられると清々しさを覚えるわ」
「どこからツッコむべきか悩むわよね。
一見課長が菜々子を振り回しているように見えて
実際は、菜々子の方が課長を振り回しているという事実だし」
「不憫だわ」
「そうね。私、課長苦手だけど……何だか可哀想に思えてくるわ」