玲奈の退室を報告してきた男に問い詰めると、真っ青な顔をして誰も僕の部屋に入ってないと証言した。
最初に訪れたのは虚しさ。
「指輪を奪って逃げたとき、君は戻ってきたときの僕の気持ちなんか、想像もしなかったんだろうな……」
ベッドの中で、裸の玲奈を抱きしめながら朝食を食べよう。
それから着替えさせようと、替えのドレスと一緒に花束を手配していた。
愛を乞うときに、僕だけスーツで彼女はしわだらけのドレスなんて可哀想だから。
彼女が承諾してくれたら。
まだ愛し足りなかったから、もう一度押し倒そうと思っていた。
段々と怒りがとってかわる。
玲奈は僕にたかることしか考えてない輩の一人だった、それだけだ。
彼女の本性も知らずに、プロポーズの段取りをしていた自分が滑稽すぎる。
僕は拳を握りこんで、感情をなんとか抑えた。
クロフォードの男は、いついかなるときも冷静でいなければ。
「どんな手段を使ってもと指示していたはずだが?」
それすらも万が一だった。
あのメモを読んだ彼女が僕をおいて出て行くはずはないと思いこんでいた。
専用コンシェルジュが震えながら叫んだ。
「ミッ、ミスター・クロフォード! 相手の方の身元は存じております」
「っチーフ!」
個人情報を漏洩しようとしている男へ、叱責の声が飛ぶ。
このホテルの大株主であり、クロフォードの当主たる僕より、宿泊客のプライベートを守ろうとする気概のあるスタッフもいるのか。
平時なら称賛に値するが、今は彼女を捕まえることが先決だ。
職業倫理感の欠如及び、個人的な不快感には目をつむろう。
「彼女の名は」
「多賀見 玲奈様。多賀見製薬現社長のご令嬢でございます」
最初に訪れたのは虚しさ。
「指輪を奪って逃げたとき、君は戻ってきたときの僕の気持ちなんか、想像もしなかったんだろうな……」
ベッドの中で、裸の玲奈を抱きしめながら朝食を食べよう。
それから着替えさせようと、替えのドレスと一緒に花束を手配していた。
愛を乞うときに、僕だけスーツで彼女はしわだらけのドレスなんて可哀想だから。
彼女が承諾してくれたら。
まだ愛し足りなかったから、もう一度押し倒そうと思っていた。
段々と怒りがとってかわる。
玲奈は僕にたかることしか考えてない輩の一人だった、それだけだ。
彼女の本性も知らずに、プロポーズの段取りをしていた自分が滑稽すぎる。
僕は拳を握りこんで、感情をなんとか抑えた。
クロフォードの男は、いついかなるときも冷静でいなければ。
「どんな手段を使ってもと指示していたはずだが?」
それすらも万が一だった。
あのメモを読んだ彼女が僕をおいて出て行くはずはないと思いこんでいた。
専用コンシェルジュが震えながら叫んだ。
「ミッ、ミスター・クロフォード! 相手の方の身元は存じております」
「っチーフ!」
個人情報を漏洩しようとしている男へ、叱責の声が飛ぶ。
このホテルの大株主であり、クロフォードの当主たる僕より、宿泊客のプライベートを守ろうとする気概のあるスタッフもいるのか。
平時なら称賛に値するが、今は彼女を捕まえることが先決だ。
職業倫理感の欠如及び、個人的な不快感には目をつむろう。
「彼女の名は」
「多賀見 玲奈様。多賀見製薬現社長のご令嬢でございます」



