一夜限りの恋人は敵対企業のCEO⁈【後日談有】

『II've been hurt by my lover now
(僕は今、恋人に痛い目に遭わされたが)

Get him to be rewarded with Crawford's claws
(奴にも、クロフォードに爪をたてた報いを相応に受けてもらう)』

 ニッと不敵に笑ってるような声が頭の上からした。
 ネイトって人は、治に居て乱を忘れずというか。
 ピンチになると勝機とばかりに生き生きしだすタイプみたい。

 この間、私が起きてから二〇分足らず。

 毛布の隙間から見上げるネイトが、唇の端を上げている。
 酷薄でいながら、獲物を追い詰めるときの独特の色気があって、目が離せない。

『Roger that(了解)』

 ああ、とセキュリティスタッフが付け足してきた。

『Tell the kitten in your arms to be a little more docile
(腕の中の子猫ちゃんに、もう少しだけおとなしくしてるよう言ってくれ)』  

 ネイトが私に目を向けた。蕩けさせるような声でささやく。

「Kitten, I'll put you to sleep later
(子猫ちゃん、あとで僕が寝かしつけてあげるよ)」

 わっ、私が甘やかされるのに免疫がないことを知っててー!
 も、撃沈。
 一転、きりりとした顔になり、スタッフに指示を出す。

『He's done so far, the possibility of fleeing abroad
(ここまでしでかしたんだ、海外へ逃亡の可能性もある)』

『Roger that(了解)

He will be aware of our movements when we upload the video
(奴は動画をアップした時点で、我々の動きを察知しているだろう)

Send his image to the airport
(空港に奴の画像を送る)』


『Get a kick before Helga's concert
(ヘルガのコンサートまでにカタをつける)

Don't let the world know about her
(……彼女のことを漏らすな)』


『Should be fine
(大丈夫だ)』