おそらく、外ではスズメがちゅんちゅん言ってるであろう朝。
 なのに室内はあまりに静かで、私はそっと目をあける。
 スッキリした、爽やかな目覚めだった。
 うーんと伸びをすれば、掛布がはらりと落ちる。
 カーテンの合間から入ってくる朝日に照らされて、見えちゃったのは自分の体にちりばめられたキスマーク。
 あっというまに昨晩の痴態を思いだした。 
 
『Nate, mehr ……!
(ネイト、もっと)』
 
『Ich werde dir so viel geben, wie du willst. Meine Rena
(あげるよ、いくらでも。僕の玲奈)』
 
 あああああ!

「やっちゃったぁ……」

 昨日会ったばかりの外国人と、その。
 情熱の一夜を過ごしてしまった。
 お酒を飲んでいないし、怪しいクスリも盛られていない。
 要は合意。
 悲しいことに記憶もばっちりある。

 情熱的で素敵だった夜を、つい思い出す。