異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます

 たぶん外から見えていたらそれは壮大な景色だったかもしれない。

 銀色に輝く真竜エレメンタルクリスタルから黄金の粒子が溢れて出してその巨大な竜を覆う。

 そして。

 その粒子が渦になり、水蒸気のモヤの中で金色の繭となった。

 その繭は回転しつつ、元の巨大な竜の姿が唐突に消え去ったかと錯覚するような勢いで縮んでいった。



 まるで蝶が羽化をする様にその繭から現れた美女。

 それまでの、少女のあどけなさは消え。



 頭には竜のツノ。二本のそのツノはうねるように背後に伸び。

 その肩に、胸に、両腕、両脚と、白銀に輝く竜の意匠のその(ヨロイ)



 背中には金属でできた板が連なる白銀の翼。それが空中に4枚浮かぶ。

 その姿はまるで、空に浮かぶ真竜の化身。


 白銀の鎧にマリアンヌのふわふわな豊かな金髪が映え、そしてその瞳には。

 左眼にはクリソベリルキャッツアイ。魔・ギアキャッツアイが瞬き。額には白銀のティアラ。シルヴァメーティス。

 左腕の外装には黒褐色のダークシルトガントがカチリと嵌まり。

 右手には竜玉。ドラゴンオプスニル。

 そしてその胸には金色に輝くキュアの化身。ゴールデンクリスタルのハートのブローチ。



 そう。真竜ごとマジカルレイヤーで纏ったマリアンヌの姿がそこにあった。




 ☆☆☆。


 水蒸気のモヤがうっすらと晴れてきた所であたしは後ろを振り返った。

 そこには……。

 ずっとドラコが庇ってきたみんなの姿があった。

 なんだか満身創痍だけどそれでもみんな無事?

 ハクアが結界を張って皆を守ってきたのも。魔力を使い果たしたかのようにフラフラになっている彼のその姿からわかった。


「マリアンヌ! なのか!?」

 あう。マクシミリアンったら。

 結界から飛び出してこようとする彼を押しとどめてるお父様が見える。

「マリカ! 無事だったのか! 良かった……」

 ああ、アーサーも無事だったのね……。良かった……。


「皆さん! まだ危険ですからさがっててください! あれ、は、あたしがなんとかしますから!」

 あたしは大声をはりあげそう叫ぶと、モヤが晴れ顕になった紅竜の顔を見上げた。

 右手のドラゴンオプスニルの権能を解放し、叫ぶ。

 ファイナルアタック!!

 と。