異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます

 現れた先はたぶんドラコの中。

 位置ではなくてドラコの魔力を目当てに跳んだんだけど……。

 あうあうあ。ちょっと失敗しちゃった?

 真竜エレメンタルクリスタルの核の中。(レイス)の中に跳んじゃったのかも? で。

 戦ってるドラコの意識がまず流れ込んできた。

 心に圧倒的な大きな意識が流れ込んできて……。

 はう。押し潰されそうだ。

(え? マリアンヌさま?)

 はう?

(なんだかいきなり侵入者? って思ったらマリアンヌさまだとは……)

 え? これ、ドラコの意識?

(んー。ドラコっていうかさ、俺、レティだよ? もういっぱい一緒に訓練したじゃん?)

 はい? 嘘! だって、レティーナさまはそんな軽い喋り方しないもん! 

(ああ。姉さんが俺やってた時はちゃんとお堅い喋り方してたっけ? っていうか俺が直接話するのは初めてだったか)

 うそ……。どういう事?

(まあね。信じられないかもしれないけどさ。君と茉莉花ちゃんの関係と似てる? っていうか、俺と姉さんはもともと双子で生まれてくるはずが、物心ついた時には俺は姉さんの中に居たんだよね?)

 え……。

(まあ、マトリクス入れ替えて時々外に出して貰ってたけどね?)

 そっか。だからレティーナさま、男性に成れるのか……。

(そうそう。今は心をドラコに移して君の手助けにきてったって話。ドラコだけじゃなかなかね? 人の言うことなんか聞かないし)

 あう。そっか。ありがとうレティさま……。

(に、しても……。強いねこいつ。ちょっとドラコでも荷が重いかな……)

 うん。どうしよう。あたしも一緒に戦おうと思ってきたけど……。



 そう。人間の身体は脆い。

 あたしがいっくらマジカルレイヤーで身体を強化したって限界がある。さっきみたいに魔竜に弾かれたら一度でダウンだ。これじゃ、分が悪すぎる。

 伝説の大賢者ラギレスさまは肉体になんか縛られず何度でも蘇ったって聞いた。ほんと女神だって言われるのもわかるよね? そんなのほんと人間に出来ることじゃないもの。

 あたしにはさすがに無理だ。

 意識が途切れても生きて居られる自信は流石にないよ。



(そっか。マリアンヌさま? あんたドラコごとマジカルレイヤーで融合しちゃってみない?)

 はう?

(こう言っちゃなんだけど、君のマナの大きさは桁外れだよ。たぶんこの真竜エレメンタルクリスタルさえ凌駕してる。だからね? 試してみない? 竜になっちゃえば良いんだよ君も!)


 えーー?

 あう。


 でも。




 もしかしたら、それなら。

 今のこの状況なら。

 いける、かも?



 ええい。やってみる!


 ありがとうレティさま。

 お願いね、ドラコ。


 うん。

「マジカルレイヤー!!」

 あたしは心の底から叫んだ。真竜の核から。この真竜のマトリクスを自身に纏うように。