大魔導師イクシア様?
彼は捕まえた男女数人を光の籠で包むと、その籠ごと彼らを何処かに跳ばした。
他者に対しての空間転移? 言葉をも発する事なくこんな事が出来るなんて。
大魔導師様でほんと間違いないんだろうな。
全てが片付いた屋上で、あたしは彼と向き合っていた。
月明かりが彼の白銀の髪を照らして。
「貴方が……イクシア様?」
「ええ、お久しぶりでございます」
え? ううん、違う。
「あたしはラギレス様じゃないです」
あたしがそう言うと、イクシア様、ちょっと悲しそうな顔をして。
「そうですね。貴女様には女神であった記憶は無いのでしたね……」
そう、そっと目を閉じて。
「あれはもう、何千年前になるのか。わたくしが初めて貴女にお会いしたのはまだ先史文明の時代。貴女様のアイデアによって提唱されたイシスプロジェクトを推進する為この身を捧げた時でした。この地球を再生する為、貴女様はわたくしたちに希望を与えてくださったのです……」
え? 地球?
「当時も、貴女様はただの人《ヒト》を装っていらっしゃいましたが、それでも全てが貴女様のお心のまま物語は綴られていきました」
その白銀の髪が風に揺れる。髪の色は変わってしまっているけれど、あたし、この人見たことある?
心の奥底に、そんな映像がフラッシュバックして。
「それ以来、わたくしは長い年月、貴女様のなされることを見守り続けてておりました。姿形は変われども、その魂《レイス》までは変わりませんから」
「あなたは……不老不死、なの? ハクア」
「いいえ。ああ、不死と言えばそうかもしれません。わたくしは自身を複製してはそこにこの心を移し、生きながらえていますから……」
あ、う。
頭の中に何かが引っかかる。
あたしじゃなかった時のあたし。
そんな記憶があたしの中に産まれようとしてる?
ううん、違う。
心の奥底に眠っていた記憶。
そんなものがふと顔を出そうとしているの?
まるで、あたしと魂《レイス》を同じくするもう一つの存在と、時空を超えて繋がった、ような。
マリカの時のように、もう一人のあたしが……。
そんな……。
“キャノピーが開いた。あたしの身体はまだ動かない、動けない。
でも、カツカツと足音。近づいてくる人がいるのはわかる。
その人はコールドスリープカプセルの横まで登ってきて、ひょこんと顔を出した。
「おきたのかい? アリシア」
そう優しく話しかけてくれるその男性。
あたしは混乱していた記憶を整理して。思い出す。
「ああ、ハクア。ありがとう。またお世話になりますね」
そう、まだぎこちない声で話して。“
何? この記憶。
っていうかアリシア? そうあたしの事を呼ぶ彼。
ハクア・マウアー。
そう、彼だよ。ハクアだ!
「ハクア! あなた、ハクアだ。髪の色は変わっちゃったけど、ああ、ハクア……」
「思い出していただけたのですね。アリシア」
彼は捕まえた男女数人を光の籠で包むと、その籠ごと彼らを何処かに跳ばした。
他者に対しての空間転移? 言葉をも発する事なくこんな事が出来るなんて。
大魔導師様でほんと間違いないんだろうな。
全てが片付いた屋上で、あたしは彼と向き合っていた。
月明かりが彼の白銀の髪を照らして。
「貴方が……イクシア様?」
「ええ、お久しぶりでございます」
え? ううん、違う。
「あたしはラギレス様じゃないです」
あたしがそう言うと、イクシア様、ちょっと悲しそうな顔をして。
「そうですね。貴女様には女神であった記憶は無いのでしたね……」
そう、そっと目を閉じて。
「あれはもう、何千年前になるのか。わたくしが初めて貴女にお会いしたのはまだ先史文明の時代。貴女様のアイデアによって提唱されたイシスプロジェクトを推進する為この身を捧げた時でした。この地球を再生する為、貴女様はわたくしたちに希望を与えてくださったのです……」
え? 地球?
「当時も、貴女様はただの人《ヒト》を装っていらっしゃいましたが、それでも全てが貴女様のお心のまま物語は綴られていきました」
その白銀の髪が風に揺れる。髪の色は変わってしまっているけれど、あたし、この人見たことある?
心の奥底に、そんな映像がフラッシュバックして。
「それ以来、わたくしは長い年月、貴女様のなされることを見守り続けてておりました。姿形は変われども、その魂《レイス》までは変わりませんから」
「あなたは……不老不死、なの? ハクア」
「いいえ。ああ、不死と言えばそうかもしれません。わたくしは自身を複製してはそこにこの心を移し、生きながらえていますから……」
あ、う。
頭の中に何かが引っかかる。
あたしじゃなかった時のあたし。
そんな記憶があたしの中に産まれようとしてる?
ううん、違う。
心の奥底に眠っていた記憶。
そんなものがふと顔を出そうとしているの?
まるで、あたしと魂《レイス》を同じくするもう一つの存在と、時空を超えて繋がった、ような。
マリカの時のように、もう一人のあたしが……。
そんな……。
“キャノピーが開いた。あたしの身体はまだ動かない、動けない。
でも、カツカツと足音。近づいてくる人がいるのはわかる。
その人はコールドスリープカプセルの横まで登ってきて、ひょこんと顔を出した。
「おきたのかい? アリシア」
そう優しく話しかけてくれるその男性。
あたしは混乱していた記憶を整理して。思い出す。
「ああ、ハクア。ありがとう。またお世話になりますね」
そう、まだぎこちない声で話して。“
何? この記憶。
っていうかアリシア? そうあたしの事を呼ぶ彼。
ハクア・マウアー。
そう、彼だよ。ハクアだ!
「ハクア! あなた、ハクアだ。髪の色は変わっちゃったけど、ああ、ハクア……」
「思い出していただけたのですね。アリシア」
