異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます

 前面に球状にカノープスの盾を顕現させ防ぐあたし。機械犬達が一旦そこで固まる。

「一匹ずつ仕留めるよ!」

 飛びかかるアーサーの前だけ少しづつ盾を解除しつつ移動する。

 一度にたくさんを相手にするのはちょっと大変だけどこうして一匹ずつならそこまで脅威でもない?

 あたしが盾を解除、アーサーが剣を振るう、盾を閉じ一旦下がる、そしてまた解除、アーサーの攻撃。そんな感じでなんとか半分くらい倒した所で向こうも闇雲に突進するのを辞めたのか後ずさって一箇所に集まった。

 あ、これなら。

 機械犬達は壁を背にしてる。あの壁くらいなら……、壊しても、いいよね?

 あたしはその機械犬を指差して。左目のマギアキャッツアイの権能を解放。

「レイ、エクスプロージョン!」

 指先から発するエネルギーの奔流が迸る。

 それは一瞬でその機械犬達を後ろの壁ごと破壊した。


「マリカ! やりすぎ?」

「でもー、ちょうどまとまってて……」

「まあでも、ありがとうね」

 そうアーサーがあたしの頭をくしゃくしゃってして。

 これで脅威は去ったの? かな?

 あ、でも、アリア!

「アリア、探さなきゃ!」

「うん。そうだね。あの機械犬達を操っていた部隊が近くにいるはずだ。それを探そう」

 そっかまだ悪い人たちは近くにいるはず!

 あたしは周囲の人の気配を探る。

 機械犬の気配はわからなかったけど人なら……。魔力紋の気配なら!

 魔力紋は、たとえば寝ている時? みたいに本人の意識がないときには感じられなかったりする。

 たぶん(レイス)(ゲート)が閉じてるとマナが漏れ出ないからかな?

 じっと目を閉じて集中する、と。

 アリアの魔力紋は見つけられなかったけど、この建物の屋上付近に数名分の魔力を感じた。

「屋上? に、誰かいる!」

「そうだね。今起きている人が屋上にいるってことはそいつらが今回の襲撃部隊に違いない、か」

「あたし、ちょっと行ってくる!」

「まってマリカ! 僕も一緒に行くから!」

 アーサーは首を振り、あたしの手を掴んだ。でも……。

 狙われてるのはアーサーなんだもん。これ以上危険な目に遭ってほしくない。

 それに、たぶん、あたしだけならきっと。

 敵の目を掻い潜りアリアをさらって逃げることも出来なくはない、かも?

「ごめん。アーサーはここで待ってて!」

 あたしは掴まれていた手を振り払い、

 天使の羽、アウラの羽を背中に顕現させ、そのままその魔力紋のある場所まで空間を跳んだ。