「うん。確かそう。今学会で発表されている異世界、っていうかこの世界の成り立ちについての論文でもそういう結論だったかな」
え、でも。
「世界ってさ、マナの海に浮かぶ泡のよう、って話は聞いたことがある?」
「ええ、たしか……」
「実証されているわけではないけどね。これもイクシア様の研究から導き出されたものらしいけど今では定説になってるんだけど、この空間、宇宙っていうのは閉じているって言われてる。ちょうど泡の表面のように」
はう。
「じゃぁその外側は? っていうと、其処にあるものはエーテルって呼ばれてる。この世界の根源。神の氣。この世界はそのエーテルの海に浮かぶ無数の泡のうちの一つでしかないんだ」
あう。まあ、そう習ったは習ったんだけど……。
「別の世界に行くっていうのは、その泡から泡に移動するようなもので、無数にあるそんな泡から決まった泡を選んで移動するなんてこと物理的にはほぼ不可能だって話」
でも、それじゃぁ……。
あたしはしゅんとして、俯いた。
だったら、どうすればいいっていうの? アリアを返してあげる事はできないの?
「異世界を渡った人の話は僕も文献で目にした事はあるけど、そのほとんどは全て一方通行だったみたい。まあその人物が元の世界に戻れたかどうかなんて、確かめる術もないんだけれどね?」
あたしが俯いて泣き出しそうになっていたからか、アーサーはあたしの頭をクシャって撫でてくれて。
「伝説の大賢者、セリーヌ・マギレイス・ラギレス様だけだよね。そんな真似が出来たのは」
そう、話を締めた。
って、はい? 出来たの? ラギレス様は?
「ラギレス様は異世界に行って帰って来れたっていうの?」
「そうみたいだよ? これも残されているイクシア様の手記にそういう記述があるっていうだけの話。眉唾だけどね?」
ああ、でも。
イクシア様……。
手がかりはやっぱり其処に残されている。そういう話かな。
フロスティが運んでくれた異世界の本は結局アーサーに教えてもらった内容の域を出なかった。
一通り読んでみたけど。それでも新しい発見は無くて。
「ありがとうねフロスティ、タビィ」
「姫さま、またいらしてくださいね」
「姫さま、いつまでも待ってますね」
そう小首を傾げ話す二人と離れるのはちょっと名残惜しかったけど。
うん。またくるね。きっと。
あたしは右手を思いっきり振って、図書館の玄関を出た。お日様は少し傾いて、お昼を少し過ぎてる?
ああ、みんなお腹空かして待ってるかな。
あたしはそう焦って中庭まで急ぐと、其処には美味しそうなお弁当を広げて待っててくれたアリアたちがいた。
「マリカさん! ちょうど今からお昼にしようとしてた所なんです! 一緒に食べましょう?」
そう笑顔で言う彼女。
「遅くなってごめんね」
あたしはそう言うとアーサーと一緒に席についた。
え、でも。
「世界ってさ、マナの海に浮かぶ泡のよう、って話は聞いたことがある?」
「ええ、たしか……」
「実証されているわけではないけどね。これもイクシア様の研究から導き出されたものらしいけど今では定説になってるんだけど、この空間、宇宙っていうのは閉じているって言われてる。ちょうど泡の表面のように」
はう。
「じゃぁその外側は? っていうと、其処にあるものはエーテルって呼ばれてる。この世界の根源。神の氣。この世界はそのエーテルの海に浮かぶ無数の泡のうちの一つでしかないんだ」
あう。まあ、そう習ったは習ったんだけど……。
「別の世界に行くっていうのは、その泡から泡に移動するようなもので、無数にあるそんな泡から決まった泡を選んで移動するなんてこと物理的にはほぼ不可能だって話」
でも、それじゃぁ……。
あたしはしゅんとして、俯いた。
だったら、どうすればいいっていうの? アリアを返してあげる事はできないの?
「異世界を渡った人の話は僕も文献で目にした事はあるけど、そのほとんどは全て一方通行だったみたい。まあその人物が元の世界に戻れたかどうかなんて、確かめる術もないんだけれどね?」
あたしが俯いて泣き出しそうになっていたからか、アーサーはあたしの頭をクシャって撫でてくれて。
「伝説の大賢者、セリーヌ・マギレイス・ラギレス様だけだよね。そんな真似が出来たのは」
そう、話を締めた。
って、はい? 出来たの? ラギレス様は?
「ラギレス様は異世界に行って帰って来れたっていうの?」
「そうみたいだよ? これも残されているイクシア様の手記にそういう記述があるっていうだけの話。眉唾だけどね?」
ああ、でも。
イクシア様……。
手がかりはやっぱり其処に残されている。そういう話かな。
フロスティが運んでくれた異世界の本は結局アーサーに教えてもらった内容の域を出なかった。
一通り読んでみたけど。それでも新しい発見は無くて。
「ありがとうねフロスティ、タビィ」
「姫さま、またいらしてくださいね」
「姫さま、いつまでも待ってますね」
そう小首を傾げ話す二人と離れるのはちょっと名残惜しかったけど。
うん。またくるね。きっと。
あたしは右手を思いっきり振って、図書館の玄関を出た。お日様は少し傾いて、お昼を少し過ぎてる?
ああ、みんなお腹空かして待ってるかな。
あたしはそう焦って中庭まで急ぐと、其処には美味しそうなお弁当を広げて待っててくれたアリアたちがいた。
「マリカさん! ちょうど今からお昼にしようとしてた所なんです! 一緒に食べましょう?」
そう笑顔で言う彼女。
「遅くなってごめんね」
あたしはそう言うとアーサーと一緒に席についた。
