「ぼくはフロスティ」
「わたしはタビィ」
「いらっしゃいませ姫さま」
「おひさしぶりです姫さま」
「今日はなんの本をお探しでしょう?」
「さあさこちらへ、閲覧室にどうぞ」
目の前の大きなぬいぐるみの猫は交互にそう話す。
向かって右側にはサバトラ白。左側には濃い目のサバ。
十歳ぐらいの子供の身長くらい? 人間のようにまっすぐに立ったそのぬいぐるみ? 着ぐるみ? そんな感じのそれ。
目元までサバ模様で口元が白いサバトラ白の子は、たぶんお腹まで白いんだろうなって思うけどきっちりした黒のタキシードを着ている。胸にはクリベリルキャッツアイの宝石のブローチがみえ、おてては白い。なんだかシロタビを履いたみたいにみえるかな。
左のサバの子はサバ模様がちょこっと濃いけどかわいい。黒のメイド服を身に纏ってるからこちらは女の子なのかな? 胸にはやっぱりターコイズに光る宝石のブローチ。
(あは。シロタにサバコだ)
「シロタにサバコ?」
(なんとなくね。うちによく遊びにきてた野良猫の兄妹とよく似てるの)
そっか。
「姫さまひどい。ぼくにはフロスティって立派な名前がちゃんとあるのに」
「姫さまひどい、わたしにはタビィっていう立派な名前がちゃんとありますのに」
はう。あたし声に出してた?
「ごめんなさい。フロスティにタビィ」
「わかってくださればいいのです姫さま。姫さまは何年経ってもぼくのことをシロタ、なんて」
「わかってくださればいいのですけど姫さまは何度言ってもわたしのことをサバコ、なんて」
「「呼ぶんですもの」」
最後はハモった。
でも、なに? よくわかんないけどこの二人はなんであたしの事姫さまって呼ぶの? てっきりアーサーの事だと思ってたのに?
それに、何年経っても、とか、何度も、とか。
あたしのこと誰かと勘違いしてるのかなぁこの子。
(そんな感じするね?)
うん。
どうしよっかな。
そんな風に思ってたら横でアーサーが二人に声をかけてた。
「フロスティ、タビィ、僕はアーサーだよ」
「了解しましたアーサーさま」
「わかりましたアーサーさま」
ああ、こういう風に言えばいいんだ。
じゃぁあたしも。
「フロスティ、タビィ、あたしはマリカです」
「了解しました姫さま」
「わかりました姫さま」
あれ?
「ま、り、か、ですよ?」
「はい、姫さま」
「ええ、姫さま」
あう。だめ?
「まあいいじゃない。姫さまって呼ばれても。もともとマリアンヌで登録してあるんだろうからだったら姫さまでいいし」
「えー。じゃぁアーサーさまはどうなるんですか? アーサーさまこそ姫さまで登録されてるはずでしょう?」
「はは。僕はいいんだよ。姫って柄じゃないから。まあそれよりもまず閲覧室に行こう。あんまり時間をかけると外で待ってる三人に悪いし」
「そうですね。じゃぁ。フロスティ、タビィ、お願いします」
「こちらへどうぞ、姫さま」
「ついてきてくださいませ、姫さま」
そう言って歩き出した二人の猫の後について歩く。
二人は赤いカーペットの廊下の端に着くと、扉を開けてあたしたちを迎え入れてくれた。
「わたしはタビィ」
「いらっしゃいませ姫さま」
「おひさしぶりです姫さま」
「今日はなんの本をお探しでしょう?」
「さあさこちらへ、閲覧室にどうぞ」
目の前の大きなぬいぐるみの猫は交互にそう話す。
向かって右側にはサバトラ白。左側には濃い目のサバ。
十歳ぐらいの子供の身長くらい? 人間のようにまっすぐに立ったそのぬいぐるみ? 着ぐるみ? そんな感じのそれ。
目元までサバ模様で口元が白いサバトラ白の子は、たぶんお腹まで白いんだろうなって思うけどきっちりした黒のタキシードを着ている。胸にはクリベリルキャッツアイの宝石のブローチがみえ、おてては白い。なんだかシロタビを履いたみたいにみえるかな。
左のサバの子はサバ模様がちょこっと濃いけどかわいい。黒のメイド服を身に纏ってるからこちらは女の子なのかな? 胸にはやっぱりターコイズに光る宝石のブローチ。
(あは。シロタにサバコだ)
「シロタにサバコ?」
(なんとなくね。うちによく遊びにきてた野良猫の兄妹とよく似てるの)
そっか。
「姫さまひどい。ぼくにはフロスティって立派な名前がちゃんとあるのに」
「姫さまひどい、わたしにはタビィっていう立派な名前がちゃんとありますのに」
はう。あたし声に出してた?
「ごめんなさい。フロスティにタビィ」
「わかってくださればいいのです姫さま。姫さまは何年経ってもぼくのことをシロタ、なんて」
「わかってくださればいいのですけど姫さまは何度言ってもわたしのことをサバコ、なんて」
「「呼ぶんですもの」」
最後はハモった。
でも、なに? よくわかんないけどこの二人はなんであたしの事姫さまって呼ぶの? てっきりアーサーの事だと思ってたのに?
それに、何年経っても、とか、何度も、とか。
あたしのこと誰かと勘違いしてるのかなぁこの子。
(そんな感じするね?)
うん。
どうしよっかな。
そんな風に思ってたら横でアーサーが二人に声をかけてた。
「フロスティ、タビィ、僕はアーサーだよ」
「了解しましたアーサーさま」
「わかりましたアーサーさま」
ああ、こういう風に言えばいいんだ。
じゃぁあたしも。
「フロスティ、タビィ、あたしはマリカです」
「了解しました姫さま」
「わかりました姫さま」
あれ?
「ま、り、か、ですよ?」
「はい、姫さま」
「ええ、姫さま」
あう。だめ?
「まあいいじゃない。姫さまって呼ばれても。もともとマリアンヌで登録してあるんだろうからだったら姫さまでいいし」
「えー。じゃぁアーサーさまはどうなるんですか? アーサーさまこそ姫さまで登録されてるはずでしょう?」
「はは。僕はいいんだよ。姫って柄じゃないから。まあそれよりもまず閲覧室に行こう。あんまり時間をかけると外で待ってる三人に悪いし」
「そうですね。じゃぁ。フロスティ、タビィ、お願いします」
「こちらへどうぞ、姫さま」
「ついてきてくださいませ、姫さま」
そう言って歩き出した二人の猫の後について歩く。
二人は赤いカーペットの廊下の端に着くと、扉を開けてあたしたちを迎え入れてくれた。
