異世界猫。王子様から婚約破棄されましたが、実は聖女だったのでまったりもふもふ優しく騎士様に愛されます

 一度お部屋に帰って着替える。

 やっぱり楽なワンピースがいいよねと薄手のワンピを羽織って。

 普段は一応ドレスを加工した魔法服を着てるから、こういう格好は楽でいいな。

(お貴族様の服はガチガチに身体固めちゃうからきついよね)

 でしょう? 茉莉花ちゃんが夜好んで着ているこのワンピース。単純な作りなんだけどふわっと頭通して着るだけだからほんと楽。

(あたしは元世界では普段着はみんなこんなんだったけどね? 学校の制服はブレザーだったからちょっとカチッとはしてたけど、でもコルセットで固めて着るドレスはきついなぁ)

 魔法服もね、一応戦闘になってもいいように刃物とかも簡単に通さないようかっちりしてるからねぇ。

(まあね。怪我しないようにしなきゃだしね)

 魔法服は鎧の代わり。一応防御力は高いのだけどね。



 そんな感じでクリーム色の裾が広がったワンピースをはおったあたしはタオルと着替えの下着を持って廊下に出た。

 部屋割りはあたしとアリア、クラウディアとコルネリア、そしてアーサーは一人。やっぱりさ、みんなアーサーの事男の人だって思ってるだろうって、そう思ったからなんだけど。

 でもそれって杞憂だった。

 廊下に出るとアーサーとクラウディアがもう待っていた。

 クラウディアは豊かな真っ赤な髪を下ろして女性らしいボディラインの服に着替えてた。流石にあたしほどラフじゃないけど。

 アーサーは……。

 普段ひっつめて後ろでまとめている金色のふわふわした髪を下ろして。あたしと同じようなワンピースを羽織ってる。

 胸もふんわりあるような、そんなシルエット。

 顔はお化粧してないみたいだけど、それでも充分美人で。

 まあこれは間違えられようがないよね。そんな感じだった。

「流石にお風呂に行く時はこんな格好じゃないとね」

「あは。この格好の時はアリサって呼んでるの。わたしたち」

「クラウディアさんたちはアーサーが女性だって最初から知ってたんですか?」

「そりゃあね? 騎士団の中で一緒に行動する事も多いんだもの。この子を野獣の中に放り出すわけにもいかないでしょう? まあ、なんで男装してるのかまでは聞いてないけどね?」

「ああ、確かに。じゃ、フェリス様もご存知なの?」

「うん。ごめんねマリカ」

 あうあう。そういうことかぁ。そうだよね男性が多い騎士団の中でそれでなくとも素性を隠して生活してるんだもの。流石に誰にも何も知らせず男性するのってけっこう不可能かも?


 大浴場までたどり着くと入口はちゃんと男女で分かれてた。

 中に入り荷物置きに着替えとタオルを置いて。

 ばさっと服を脱いでアーサー、ううん、アリサを見ると。

 うん。やっぱり女の子だった。少しくらいは本当は男性なんじゃないかっていう気持ちも残ってたけど、これで諦めもついた。

 すらっと背が高くて華奢。胸も……、大きくは無いけどささやかだったけど男性の胸とは違う……。

「あんまりじっと見られると流石に恥ずかしいよ? マリカ」

「はう! ごめんなさい」

 あたしは火照った顔を見られたく無くて、浴場へと急いだ。