「歌を、歌いにきました。」
そう言って少女は、どうでもいいような目で宙を見て、歌を歌った。



罪深いほどに好きになり
あなたの呼吸を抱きしめた
罪深いほどに溶けてゆく
その様をずっとながめていた

花が咲いては蜜を知り
虫の音に咲く命の香り
頭の中に木霊する
いずれはこの地に埋まる

君が吐いては嘘を知り
声の名に咲くあなたの香り
頭の中に木霊する
明日には全て消えてゆく

罪深いほどに恋を知り
怖くなるほどに欲を知る
罪深いことは知りながら
あなたの髪を撫でていた。