それが君の口癖。

「私たちの関係に、愛なんてなければよかったのにね。」

君は、どこか遠くを見ている。
「それは、どういうことなの?」
僕も、遠くを見るフリをする。


「そしたら、あなたと心から笑い合えた気がするのよ。気がするだけかもしれないけどさ。」

目を合わせてすぐに逸らして。斜め下を見て、ゆっくりとまた目を合わせる。


そういう小細工が気に入らない。
勝手に僕が君を愛しているかのような口ぶりで、また弄ばれる。

「あなたって、本当に変な人。私を好きだなんて変わってる。」