彼女がパニックになっている姿を想像したら心配になってくる。


一体どうしてそんな大役をやる気になったんだろう。


どちらかと言えば、彼女はのんびりしている性格だし委員長なんて向いてないような気もするんだけど。


「大丈夫大丈夫。私黙っててもこういう役をやらされるちゃうんだ。
今回は指名される前に自分から立候補してみたの」


彼女の話では、やはり理事長の娘という立場のために昔から責任重大な役目を推薦されることが多かったらしい。


「周りから推薦されて渋々やらされるんじゃなくて自分からやろうって決めたことだから全然辛くないよ」


「そうか」


前向きな彼女の口調は強がって嘘をついているようには聞こえない。


むしろ、責任感に突き動かされてイキイキしているような気がした。


「あのね、千景くんにお願いがあるの」