(side花)


「うえーん、どうしよう。千景くんにメールしてるのに返信が無いよう」


「そんなに心配しなくてもそのうち連絡くらいあるでしょ」


4時間目の体育の授業中、ちえりちゃんに泣きついて相談していた。


だけど、ちえりちゃんはちょっとあきれ顔で全然とりあってくれない。


テニスの授業だったんだけど、コートには入らずに私達はフェンスを背にダラダラと見学中。


総合セレブリティコースの体育授業はたいてい緩くてやりたい人だけが参加する形式。


だけど、恰好だけは一人前で私はお洒落なテニスウエアに身を包んでいる。


私は上下ピンクと紺色のイタリア製の可愛いテニスウエア。


ちえりちゃんは大人っぽいデザインのレモン色の蛍光色のテニスウエア。


「でもでも、昨日ちょっと怒らせちゃったみたいで。それで無視されてるのかも。