私の両方の膝にはすでに何枚かの絆創膏が貼ってある。


これまで数えきれないくらい転んできたから。


この痛みに慣れることなんてない。


だけど、それにも増して心の傷が深い。


泣きたくないけど、でも涙が出そうだよ。


ほんの少しだけでいいから、彼と話したかっただけなのに。


これじゃあ、いつまでたっても、彼に気が付いてさえもらえないよ。


グスッ


鼻の奥が熱くなってきて、もう泣きそう。


遠ざかる彼の背中。


振り返ってもくれない。


私、いったい、いつになったら彼の目に映ることが出来るんだろう。


ガックリと項垂れて、涙をこらえていたら前の方から声をかけられた。


「ちょっと、お嬢様。どうしてくれるのよっ」


「えっ?」


正門の前あたりでペタンと座り込んでいたら、非難するような険しい声が降ってきて。