…本当にオーソドックスだったなぁ。


自嘲的な笑みがこぼれてしまう。


「ごめんなさい」


私はゆっくり頭を下げて言った。

この瞬間はいつも少し、泣きたくなる。


「だめってこと?」


縋るような声に、私は頭を上げて一度だけ頷く。


「ごめんなさい。私、横山先輩のこと、全然知らないですし」

「これから知っていいけばいい」

「それに私、全然可愛くないです」

「桜田さんは可愛いよ」


横山先輩が、説得するように言った。



分かってる。


横山先輩の言う通り、私はある程度は可愛い。


おばあちゃんがフランス人で、外国の血が入っているからかもしれないし。


単純に、お母さんの美人を受け継いだだけかもしれないし。



でも、そういうことじゃなくって。