「でも、お前のことは諦めない」


ゆっくり、頷く未来。


「お前につらい思いもさせない」


俺の目を見ようと、涙を堪えている未来。



「全員。俺の周囲の全員…納得させて迎えにいく」




白い雪が、未来の頭や俺の両手に少しずつ降り積もっていく。



このまま時間が止まればいい。

このまま白い雪に覆われて死んだっていい。


そんないかれたことまで考える。




「だから未来は、未来のままで、待ってろ」




ゆっくり頷く未来に、俺は微笑んで口づけた。




「生まれてきてくれて、ありがとう」



そっと唇を離すと、未来はそう微笑んで、俺の首に白いマフラーを掛けた。



ふわり、未来のにおいが俺を包んだ。