振り返ると、未来のもう1人の友達、きょうちゃんが立っている。

未来とは幼い頃からの幼馴染。

「どうした?」

「これ、未来のお弁当です。…未来と一緒に食べますよね?」


巾着袋に入ったお弁当箱らしきものを手渡される。


いつも未来が持って来ているものより、少し大きいそれ。


受け取って、俺はきょうちゃんをまじまじと見て。


「きょうちゃんって、デキる女だな」

呟いた。


前々から思っていたことだ。


洞察力に長けていて行動力もある。

成績もある程度よく、なにより心根が優しい。


ぽかんとするきょうちゃんにありがとうだけ言って、用具庫に向かった。