『会長の私服、写真撮っちゃだめかな!?』 私たちのすぐそばを走っていく女の子の、声が聞こえて。 空耳…? 私は笑顔のまま、きょうちゃんと森川を見る。 2人は残念そうに首を横に振った。 私はゆっくり、人だかりの方に背を向ける。 オッケーオッケー。 なんとなく分かった。 嫌な予感は、的中している。 きっとね、してるよね。 にわかには信じられないけど。 でもまだ、決定的になにかを見たわけじゃない。