「いいかい、そよちゃん。キミの長所は。愚鈍なところだ」
「……うどん、ですか?」
どうしてわたしの好きな食べものの一つがうどんだと、バレているんだろう。
知らないうちにそんなことまで調査されてしまったの?
なんて考えていたら、
「い゛っ!?」
「そうそう。そういうとこね」
カイさんが笑顔でわたしの頬をつねった。
「グズで、とろくて――おバカさん」
「あの」
「ん~?」
「長所って、いいところのコト……ですよね?」
「そだね」
「わたし。いま、ぜんぜん褒められている気がしないのですが」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…