「いいかい、そよちゃん。キミの長所は。愚鈍(ぐどん)なところだ」

「……うどん、ですか?」


どうしてわたしの好きな食べものの一つがうどんだと、バレているんだろう。


知らないうちにそんなことまで調査されてしまったの?


なんて考えていたら、


「い゛っ!?」

「そうそう。そういうとこね」


カイさんが笑顔でわたしの頬をつねった。


「グズで、とろくて――おバカさん」

「あの」

「ん~?」

「長所って、いいところのコト……ですよね?」

「そだね」

「わたし。いま、ぜんぜん褒められている気がしないのですが」