小西さんが、わたしの手首をつかむ。
そのままベッドまで連れて行かれ
押し倒された、と気づいたその瞬間
スマホのカメラレンズを向けてこられる。
「や……」
「怖がらないで」
いやだ。
こわい。
「……いや」
「そんなこといって。期待してるんでしょ」
キタイ?
期待……なんて……して、ない。
あなたが、心底怖いと感じている。
叫びたい。
たとえ意味がなくたって。
なのに、声が……出せない。
「知ってるよ? そうやって拒んでいても。最後は、かわいい姿を見せてくれる。そっちから僕に愛されたがる」
力が、出ない。
逃げたいのに。
このひとから、今すぐ、はなれたいのに。
力で男のひとに勝てるなんて思わないけど
せめてもの抵抗で
力一杯、小西さんをふりはらったとき
小西さんが手に持つスマホがふっ飛び
ベッド下に落下した。


